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クリック率2倍・1本約3,000円? マーケターがAIで実現した動画広告の内製化フローを大公開

クリック率2倍・1本約3,000円? マーケターがAIで実現した動画広告の内製化フローを大公開

広告動画の寿命は短い。クリエイティブを継続的に入れ替えながらPDCAを回し続けるには、制作の速度とコストが壁になりがちです。

この記事では、LegalOn TechnologiesのWebマーケティングチームの実体験をもとにした動画「【クリック率2倍】1本約3,000円で実現できる、AI動画制作の全手順を公開」の内容をもとに、台本作成からキャラクター生成・動画編集まで6つの工程をAIで効率化する具体的な方法と、クリック率2倍・資料ダウンロード単価25%削減といった実際の成果をご紹介します。また、動画内では公開されていないナレッジ資料も画像で掲載していますので、ぜひご活用ください。

なぜAI活用に踏み切ったのか

LegalOn TechnologiesのWebマーケティングチームは、Google・Metaなどの媒体への広告配信・改善を担うチームです。広告運用においてクリエイティブは欠かせないものの、チームはクリエイティブ制作の専門家ではないため、外注に頼るフローをとっていました。

しかし外注では本数を作りきれないという課題があり、「AIで打開できるのでは」という発想からAI活用のプロジェクトがスタートしました。

AI活用前の状況

  • 外注費:1本あたり 10〜15万円
  • 制作期間:発注から納品まで 約2週間
  • 月間制作本数:約5本 が上限

広告動画は短い間で効果が落ちやすいとされており、短いスパンで新しい素材を出し続けることが理想です。しかし当時のリソースではそのスピードについていくことが難しい状況でした。

AIを活用した6つの制作工程

動画制作を6つの工程に分け、各工程で得意なAIツールを使い分けるのがポイントです。1つのAIですべてをまかなうのではなく、工程ごとに最適なツールを組み合わせていきます。

ステップ1:動画構成・台本の作成

最もAIとの相性が良かった工程です。以下の3段階で設計します。

  1. 知識のインプット:NotebookLMに自社製品情報や代表的なペルソナを事前学習させる
  2. ルールの設定:Gemini(Gems機能)に台本作成のルールをあらかじめ登録する
  3. 台本の自動生成:製品の導入事例ページのURLを読み込ませるだけで、登録したルール通りに台本が自動出力される

初期設定さえ完了すれば、URLを投げるだけで台本が完成します。Web広告は発話パターンが定型化しやすいため、YouTubeのような発言のニュアンスが求められるコンテンツと比べてAI化しやすい工程といえます。

ステップ2:キャラクターの作成

動画に登場するキャラクターの三面図を画像生成AIで作成します。一貫したビジュアルを保つため、このステップで外見を確定させておくことが大切です。

ステップ3:シーン別イメージ画像の作成

各シーンの「最初のフレーム」と「最後のフレーム」を画像として事前に生成します。いわばAI版の絵コンテです。

例えば「右手を下げた状態→挙げてナンバーワンのポーズ」のような動きがある場合、開始・終了のポーズをあらかじめ画像で固定しておくことで、動画生成の精度が向上しやすくなります。ChatGPTなど使い慣れたツールで問題ありません。

ステップ4:セリフ音声の生成

動画と音声は別々に作ることをおすすめします。同時に生成しようとすると、どちらかがうまくいかず作り直しが増えやすい傾向があります。「動画は動画、音声は音声」で個別に作ってあとで合わせる方が、トータルの工数を抑えられます。AIへの依頼も、一度に複数をまとめて頼むより1つずつ依頼した方が精度が上がりやすいのと同じ考え方です。

ステップ5:シーン別動画の生成

現状の動画生成AIは1回で生成できる尺が約15秒程度のものが多く、制約があります。そのため、30秒の動画であれば5〜10秒ごとにシーンを分割し、個別に生成してつなぎ合わせるアプローチが有効です。

ステップ6:動画編集

生成した映像素材と音声を組み合わせて、最終的な広告動画に仕上げます。

実際の成果と制作スピード感

AIを活用した動画制作の成果は、数字にも表れています。

項目

AI活用前

AI活用後

制作コスト

1本 約10〜15万円

1本 約3,000円(約1/50)※

制作期間

約2週間

最短 約2時間

月間制作本数

約5本

約30本(外注分含む)

※ 約3,000円はAIツールのクレジット代の目安です。利用するAIサービスやモデルによって金額は変動します。

これにより、PDCAサイクルの回転が加速しました。試行錯誤の回数・検証回数が増えたことで、勝ちパターンの分析も進みやすくなっています。

結果として、AIで制作した動画の中には、資料ダウンロード単価が通常の動画より25%削減した事例や、クリック率が通常の動画の2倍になった事例など、顕著な成果を上げたものも出てきています。

AI動画制作、実際にやってみてわかったこと

失敗の原因は「いきなり動画生成から始めること」

プロジェクト初期には、いきなり動画生成から始めてしまい、動画生成ツールのクレジットをあっという間に消費してしまうという失敗を繰り返していました。クレジットが足りなくなって作業が止まるというサイクルが続いたといいます。

その経験から導き出されたのが、動画生成に入る前に以下の3点を済ませておくという鉄則です。

  • 詳細内容が分かる台本を完成させる
  • キャラクターを確定させる
  • シーン別のイメージ画像(絵コンテ)を用意する

この下準備をAIを活用しながら丁寧に行った上で動画生成に入ることで、クレジットの無駄遣いを防ぎ、制作全体の効率を高めることにつながります。

AIならではのメリット:作風を複数展開できる

一方で、やってみて初めてわかった嬉しい発見もありました。台本・音声を一度作ってしまえば、動画のテイストを「実写風」「アニメ風」「漫画風」と自由に変えられるという点です。

同じ台本・音声を活用しながら、異なる作風のクリエイティブを一気に複数パターン生成できるのは、AIならではの強みといえます。A/Bテストのバリエーションを増やしたいマーケターにとっても、活用の幅が広がる発見です。

始める前に押さえておきたい2つのポイント

こうした経験を踏まえ、AI動画制作を始める際に押さえておきたいポイントが2つあります。

要件を事前に明文化する

AIに動画を生成させる前に、制作の前提条件を整理しておくことが重要です。具体的には以下の項目をテンプレートとして固定しておくと、AIの出力品質と一貫性が向上しやすくなります。

  • 目的(例:リード獲得広告、認知拡大など)
  • ターゲット(想定ペルソナ)
  • 禁止事項(NGワード、NG表現、トンマナなど)

これらをあらかじめ設定しておくことで、毎回の指示がシンプルになり、制作スピードのさらなる向上も期待できます。

いきなり全工程をAI化しない

AI動画制作を始める上で最も重要なのは、段階的に取り組むことです。最初から6工程すべてを一気にAI化しようとすると、どこかでつまずいた際に「AIでは無理だ」と判断してしまい、取り組み自体を諦めてしまうリスクがあります。

推奨するのは、まず自チームで最も工数のかかっている1工程に絞ってAI化を進めるアプローチです。例えば台本作成の効率化だけでも、大幅な工数削減につながります。1つの工程でAI活用が軌道に乗ったら、次の工程へと範囲を広げていく——この積み上げ方が、継続的な効率化を実現する近道です。

まとめ:マーケターがAIで実現した動画広告の内製化フロー

本記事では、LegalOn TechnologiesのWebマーケティングチームによるAIを活用した動画広告制作の取り組みをご紹介しました。

AIの活用により、制作コスト・制作期間・月間制作本数のすべてで大きな改善が実現しています。さらにPDCAサイクルの加速によって、クリック率2倍・資料ダウンロード単価25%削減といった広告パフォーマンスの向上にもつながっています。

動画広告のクリエイティブ制作に課題を感じているマーケターにとって、AI活用は今すぐ取り組める現実的な打ち手のひとつです。まずは台本作成など、最も負荷のかかっている1工程からAI活用を試してみることをおすすめします。

Professional AI Media編集部
執筆

Professional AI Media編集部

株式会社On Technologiesが運営する「AIによる業務変革と成長を支援する Professional AI Media」を編集しています。