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カスタマーサクセスの指標とは? KPI選定と活用法を解説

カスタマーサクセスの指標とは? KPI選定と活用法を解説
この記事を読んでわかること
  • カスタマーサクセスにおける指標(KPI)の役割と、カスタマーサポートとの違い
  • チャーンレート・LTVなど代表的な指標の定義と計算方法
  • 事業フェーズ・業種に応じた指標の選び方の考え方
  • 自社の顧客数・単価に置き換えた試算のイメージ
  • 指標を可視化・ダッシュボード化して改善行動につなげる方法

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カスタマーサクセス(CS)の現場では、チャーンレートやNPSなど複数の指標(KPI)を追っています。しかし、その数値をどのように改善行動へ結びつければよいか、判断に迷う担当者も少なくありません。指標を並べて確認するだけでは、次に何をすべきかは見えてきません。

本記事では、カスタマーサクセスで押さえておきたい代表的なKPIの定義と計算方法を整理します。あわせて、事業フェーズや業種に応じた指標の選び方、自社の顧客数・単価に置き換えた試算のイメージも紹介します。

指標を可視化して改善行動につなげる考え方までを解説します。

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カスタマーサクセスの指標とは?カスタマーサポートとの違い

カスタマーサクセスの指標(KPI)は、問い合わせへの対応品質を測るものではなく、顧客が製品・サービスから得ている成果や継続利用の状態を捉えるための、能動的な成果指標として位置づけられます。

カスタマーサポートの指標が「発生した問い合わせにどれだけ早く・的確に対応できたか」を測るのに対し、カスタマーサクセスの指標は「顧客が期待する成果に到達しているか」「今後も利用を継続する見込みがあるか」を捉える点に違いがあります。

カスタマーサクセスにおいて指標を追う目的は、大きく3つに整理できます。1つ目はチャーン(解約)の防止、2つ目はアップセル・クロスセルによる収益拡大、3つ目はLTV(顧客生涯価値)の最大化です。この3つの目的を意識したうえで、次章で紹介する指標を組み合わせて確認することが重要です。

カスタマーサクセスで押さえておきたい代表的な指標

カスタマーサクセスで扱う指標は多岐にわたりますが、まずは代表的なものの定義と計算方法を押さえておきます。

①解約率(チャーンレート)の定義と計算方法

解約率(チャーンレート)は、一定期間内に解約した顧客の割合を示す指標です。計算式は次のとおりです。

解約率(%)= 期間内の解約顧客数 ÷ 期間開始時点の顧客数 × 100

例えば、月初時点で100社の顧客がおり、その月に3社が解約した場合、解約率は3÷100×100=3%となります。解約率は集計期間(月次・年次)によって数値の意味が変わるため、比較する際は集計期間を揃える必要があります。

なお、解約率には顧客数を基準とする「ロゴチャーン」と、収益額を基準とする「レベニューチャーン(Gross/Net)」があり、本記事では前者(ロゴチャーン)を扱っています。

②LTV(顧客生涯価値)の定義と算出の考え方

LTV(顧客生涯価値)は、1顧客が契約期間全体を通じてもたらす収益の見込みを示す指標です。簡易的な算出方法の1つとして、次の式が用いられます。

LTV = 平均単価(ARPA) ÷ 解約率

この式は、解約率が低いほど顧客の平均継続期間が長くなるという考え方に基づいています。ARPAと解約率は同一期間単位(本記事ではいずれも月次)で揃える必要があり、単位がずれると数値が正しく算出できません

実務では、粗利率や獲得コストを加味したより詳細な計算式が用いられる場合もあり、自社の事業モデルに応じた確認が必要です。

③NPS・顧客満足度に関する指標

NPS(Net Promoter Score)は、顧客に自社サービスを他者に推奨したいと思う度合いを尋ね、推奨者の割合から批判者の割合を引いて算出する指標です。具体的には、0〜10点の11段階で評価を受け、9〜10点を推奨者、0〜6点を批判者として分類します。

数値そのものに加え、時系列での変化を確認することで、顧客満足度の傾向を把握する材料になります。

④オンボーディング完了率

オンボーディング完了率は、契約後に顧客が初期設定や基本機能の利用開始まで到達できた割合を示す指標です。オンボーディングの段階で離脱する顧客は、早期解約につながりやすいため、この指標は解約防止の観点で重視されます。

⑤TTV(Time to Value)=価値実感までの期間

TTVは、顧客が契約してから実際に価値を実感するまでにかかる期間を示す指標です。TTVが長期化すると、顧客が成果を実感する前に解約を検討してしまうリスクが高まるため、短縮に向けた施策が求められます。

⑥プロダクト利用度に関する指標(DAU/MAU、主要機能利用率)

DAU/MAU(日次・月次アクティブユーザー比率)や主要機能の利用率は、顧客が製品をどの程度使い込んでいるかを示す指標です。ログの自動集計を活用する場合でも、集計結果はあくまで利用状況の傾向を把握する材料であり、その解釈や次の対応判断は担当者が行う必要があります。

⑦アップセル率・クロスセル率

アップセル率・クロスセル率は、既存顧客が上位プランへ移行した割合や、追加製品・オプションを契約した割合を示す指標です。新規契約の獲得だけでなく、既存顧客との関係を深める活動の成果を測るうえでも重要な指標です。ここでは指標としての定義を押さえ、活用シーンの詳細は後述します。

⑧CS担当者側の業務指標(対応件数、CSAT、初回応答時間)

対応件数、CSAT(顧客満足度)、初回応答時間などは、CS担当者の業務量や対応品質を測る指標です。これらは顧客の成果指標とは性質が異なり、カスタマーサポートの指標に近い位置づけになる点を整理して捉える必要があります。

自社の顧客数・単価で試算する解約・LTVシミュレーション

ここまで紹介した解約率・LTVの計算式を使い、自社の顧客数・単価に近いパターンに当てはめることで、おおまかな試算イメージを持つことができます。以下では「小規模SaaS」「中規模SaaS」「大規模SaaS」の3パターンで、顧客数・平均単価(ARPA)・想定解約率を仮置きした数値例を示します。

パターン

顧客数

平均単価(ARPA・月額)

想定解約率(月次)

月間解約社数

LTV(目安)

小規模SaaS

100社

30,000円

3%

3社

約100万円

中規模SaaS

500社

80,000円

2%

10社

約400万円

大規模SaaS

2,000社

200,000円

1%

20社

約2,000万円

上記のLTVは「平均単価 ÷ 解約率」で算出した目安の数値です。自社の顧客数・単価・解約率を、上記3パターンのうち近い数値に置き換えることで、月間の解約社数やLTVのおおまかな傾向を把握できます。

表の数値はいずれも仮定の数値例であり、実在の企業や業界平均を示すものではありません。実際の数値は事業モデルや粗利率によって変動するため、あくまで試算の出発点として活用してください。

事業フェーズ・業種別に見る指標選定の基準

追うべき指標は、事業フェーズや業種によって優先順位が変わります。

SaaS/BtoBで重視される指標の傾向

SaaS/BtoB領域では、継続利用を前提とした収益モデルであることから、チャーンレート・LTV・アップセル率が重視される傾向があります。契約が長期化するほど収益に直結するため、解約を防ぎながら既存顧客の価値を拡大する視点が求められます。

BtoC・その他業種で重視される指標の傾向

BtoC・その他業種では、1顧客あたりの単価が相対的に低く、LTVを個別に管理することが難しい場合があります。そのため、NPSや利用頻度といった、顧客体験の傾向を捉えやすい指標が重視されやすくなります。

立ち上げ期/拡大期で優先すべき指標の違い

立ち上げ期は、顧客が製品を使いこなせるかどうかが課題になりやすいため、オンボーディング完了率やTTVが優先されます。一方、拡大期は顧客数が増えることで解約や収益拡大の影響が大きくなるため、チャーンレートやLTVの優先度が高まります。事業フェーズに応じて、指標の優先順位を見直す視点が必要です。

指標をダッシュボードで可視化し、改善行動につなげる方法

指標は一覧化して確認するだけでは、改善行動には結びつきにくくなります。ダッシュボードなどで定点観測できる状態を整えることが重要です。

複数の指標を組み合わせた複合指標として、ヘルススコアという考え方があります。

例えば、プロダクト利用頻度、NPS、CS担当者への問い合わせ履歴などを組み合わせて算出します。ヘルススコアは、解約を確定的に予測するものではなく、解約リスクの早期察知の一助となる位置づけで運用されます。指標の悪化を早期に察知できれば、担当者が次のアクションを検討するタイミングを早めることにつながります。

ダッシュボード化を進める際は、まず「どの指標を並べて見るか」を絞り込むことが出発点になります。前章で整理した事業フェーズごとの重点指標を軸に据えます。関連する指標をあわせて1画面で確認できる状態を整えましょう。

次に「どの頻度で確認するか」を決めます。チャーンレートやLTVのように事業全体の傾向を見る指標は月次、ヘルススコアのように個社対応につなげる指標は週次など、指標の用途に応じて確認頻度を分けると運用が回りやすくなります。あわせて、数値が一定の水準を下回った場合にアラートとして扱う閾値をあらかじめ決めておくと、確認のたびに判断基準がぶれることを防げます。

最後に、ダッシュボード上の数値を「誰が確認し、どのアクションに移すか」を運用フローとして明文化します。これにより、指標の確認が改善行動につながりやすくなります。

アップセル・クロスセルにつながる指標活用

前章で紹介したアップセル率・クロスセル率は、LTV向上に直接結びつく指標です。ここでは指標の定義ではなく、実際の活用シーンに焦点を当てます。既存顧客への追加提案は、新規の商談とは異なるものと捉えられがちですが、実質的には新たな商談プロセスとして扱う整理が必要です。

例えば、主要機能の利用率が一定水準を超えている、特定のオプション機能への問い合わせが増えている、といった状態は、アップセル・クロスセルの提案タイミングを検討するシグナルになります。

「DealOn」の「AIセールスマネージャー」機能では、既存顧客とのメールや商談などの活動履歴をAIが自動で収集し、CRMへ反映します。あわせて、商談の停滞といった兆候から、アップセル・クロスセルにつながる次の一手の設計に向けた判断材料を提示します。既存顧客ごとの活動状況を人力で洗い出す工数を抑えながら、提案タイミングを検討できる点が特徴です。

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カスタマーサクセスの指標運用でよくある注意点

指標の数を増やしすぎることで生じる運用負荷の問題

追う指標を増やすほど、多角的な状況把握につながる一方で、集計・確認の運用負荷も増加します。まずは事業フェーズに応じた重点指標を絞り込み、必要に応じて指標を追加する進め方が現実的です。

指標が改善行動に結びつかない場合に確認すべき視点

指標を確認しているにもかかわらず改善行動につながらない場合は、指標の数値を「誰が」「いつ」確認し、「どのアクションに」つなげるかという運用フローが定まっているかを確認する必要があります。

チャーンレート等の指標だけで顧客の状態を断定するリスク

チャーンレートやヘルススコアなどの指標は、あくまで顧客の状態を捉える手がかりの1つです。指標の数値のみで顧客の状態を断定すると、実際の顧客の状況と判断がずれる可能性があるため、個別の顧客対応履歴なども併せて確認する視点が必要です。

まとめ

本記事では、カスタマーサクセスで押さえておきたい代表的な指標の定義と計算方法、事業フェーズ・業種別の指標選定の考え方、自社の顧客数・単価に置き換えた試算のイメージ、指標を可視化して改善行動につなげる方法を整理しました。指標は並べて確認するだけでは改善行動に結びつきません。まずは自社の事業フェーズに合わせた重点指標を見直し、ダッシュボード化による定点観測の仕組みを検討することが、次の一歩になります。

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Professional AI Media編集部
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